本、出ました


 ここの更新方法も忘れるほどに放置してましたが、それはそれとして、出ました。
http://gihyo.jp/book/2016/978-4-7741-7944-5
 内容については上記を見て頂くとして、ここでは公式には書きにくい、FAQという名の言い訳を。
Q: なぜ、ゲームプログラミング本ではないのですか?

 当初話があったのは、ゲームプログラミング本の企画でした。
 しかし最新の開発環境を追えるようなスピード感は持ちあわせておらず、かといって自分の守備範囲と言えるような、低レベルのメモリ操作と描画が絡んだ処理は時代錯誤で、今から教えるには不適当…と考えた結果、その企画は一旦無しにした後、忘れた頃に、ゲームデザイン本の企画となって戻ってきました。
 ちなみに当初の企画は完全に消滅したわけではなく、細かい描画処理が現在でも活かせるグラフィクス分野へと方向が修正され、その方面の専門家の手で書籍化が行われましたので、興味のある方は、以下をチェックしてみるのも面白いと思います。
http://gihyo.jp/book/2015/978-4-7741-7558-4
 良い本です。宣伝ですが。

Q: 商業ゲームの名前も目次に載ってますが、その紹介本としては使えますか?

 本文中で取り上げた問題点や手法に関連したゲームを、その観点から取り上げているのであって、レビュー的な内容は期待しないほうが良いと思います。結果的に名作が集まっていますが、名作を選抜したわけではありません。
 また、異なるメーカーのゲームを、近い系統のものとして同一箇所で扱っていることが多い関係上、メーカーチェックが本文に影響する可能性を避ける*1ため、画面写真の利用申請は行わずに掲載を見送った点は、なにより紹介本として致命的とも言えるでしょう。
 将来的に、このあたりはフェアユースの考えで状況が変わるかもしれませんが、現状、そういうものとして理解して頂ければと思います。

Q: パズルぽいゲームを2本扱っているのは、偏ってませんか?

 デザインの際に辿る過程に注目した内容になっているため、扱うジャンルに類似があったとしても、特に問題は無いはずです。
 実のところ、当初はNYOQIX*2を例に、プレイヤーのコントロールが及ぶ部分と及ばない部分(物理要素など)の違いについて書こうと思っていたら、PlayStation Mobileの終了*3で、プレイ不能になってしまったという事情もあるのです…が、説明のしにくいゲームを例にするのも厳しいですし、まあ、結果的には良かったようにも思います。

 …と、FAQ紛いはこのくらいにしておいて、もし質問等がありましたら、コメント欄かtwitterまで、よろしくお願いします。

*1:避けたのは可能性であって、事象ではありません。聞いてみて、実際どうなるのかは不明です。

*2:http://d.hatena.ne.jp/k_u/20121014#p1

*3:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1503/11/news086.html

試作ゲーム、いくつか

 twitterに書いたまま*1忘れてた、予定の無い週末に作ったりしたゲームです。
 作ってみないと解らなかった要素の理解には繋がったので、試作としての役割は果たしたはず。面白いかはさておいて。
■flinty (Windows用)

http://dev.onionsoft.net/seed/info.ax?id=555
http://susami.co.jp/kuni/vault/flinty010.zip
・プレイヤーがジャンプすると、足場のブロックは反動で反対側に飛ぶ。
・ブロック同士が接触すると、発火して消滅する。
 この二つのルールで何か作れないかと考えて、足場を燃やし合う対人戦から一人用のエンドレスまで妥協した挙句、その過程で追加した要素のおかげでルールが複雑になってしまったり…と、着地点を見誤った感が半端無く。
 なんとか遊べるくらいには調整できましたけど、大抵は遊ぶ前に説明を読むだけで嫌になるような気が。
■たこあげ (Windows用)

http://dev.onionsoft.net/seed/info.ax?id=485
http://susami.co.jp/kuni/vault/tak011.zip
 自機の位置と角度を同時にコントロールできる(ツインスティック以外の)操作系という題材に、凧の物理モデルが重なりました。
 避けるだけの現状では迎角を変化させる理由は緊急回避しか見当たらないため、本来なら弾でも撃たせるのが正しい気もするのですが、HSPコンテストのショートプログラム的な部門への応募作でもあるため、プログラムサイズの都合で見送りに。
■Mendel's zone (要flash)

http://susami.co.jp/kuni/vault/men/
 掛け合わせて子世代のブロックを誕生させる落ちゲー…という思いつきで作った、遺伝ゲー。
 リアルタイムでも判断はできる程度の難易度に収まることは解ったのですが、遺伝子の種類を増やして難しくしても面白さに直結しない(大ブロックから大連鎖に繋がったりはしない)のが難点で、この要素を使うとするなら、違う形にするのが良さそうです。
 劣性遺伝子による不完全情報が見え隠れするミュータント合成ボードゲームとか、ちょっと見てみたい気はしてるのですけども。

FPSへの道

 今年度中*1に機材を買っておくのも良い気がして、そのうち触ろうかと思っていたunityのサンプルを動かしたりしてたのです…が、2010のMacBookでも結構なんとかなりそうですかね。無駄使いはせず、とりあえずHaswellを待つことにしましょう。

 で、せっかくなので何か簡単なゲームでも作ってみようと思って、First Person Sokobanでも…と作り始めたところで、肝心なことに気付きました。「一個なら押せる荷物が、二個だと押せなくなる」「斜めには押せない」という倉庫番ルールを物理エンジン上で処理するのは、なかなか面倒臭そうなことに。
 いや、荷物間の接触は法線を見て運動を補正したりとか、処理の方向はなんとなくは解るのです。それをunity上で、どうやるのかが不明なだけで。

*1:うちは2月決算なのです。

NYOQIX


 ちょっと話があったので、PlayStation Mobileで作ってみました。
 重力の働くサイドビューなスネークゲームというのは8ビット時代から定期的に見るネタですが、そこに物理ベースの、形状のバランスや遠心力も考えて敵を圧殺する展開を加えて、あんまり見ないようなゲームになったのでは…と。
 おかげで思い通りに操作できるまでが相当難しく、いつも以上に人を選ぶ内容になってしまっていますので、もし興味がある方がいましたら、覚悟の上でチェックしてみてくださいませ。

プチコンと、開発と公開の境界

http://smileboom.com/special/ptcm2/
 DSi, 3DS用のBASIC言語です。

 これ向けに、パレットアニメーションを使った一画面ゲームを作ってみました。(QRコードは動画のページに。)
 公式の投稿ページ(権利的に問題がなければ没は無いみたい)に載ってから書こうと思っているうち、動画の投稿から一年半近く経ってしまいました…が、もう更新は無いとも読み取れる記述*1を見付けましたので、諦めて貼ってしまいましょう。
https://twitter.com/k_u/status/242252322225418240
 ついでに、大昔にN88 BASICで作ったゲームの移植も。
 時期的にはゲンソリスより更に前の習作で、ほぼネタですし広く公開はしませんでしたが、休み時間にPC-9801N(初代98ノート)でちまちま作ってて、覗きに来たクラスの暇な人にテストプレイを頼んだりしたことは、今も記憶に残ってます。
 もしも「ゲーム作ってるけど、見に来ない?」と言った場合に、相手は何を想像するのか。もしかして市販の凄いゲームを思い浮かべてて、ボロクソに言われたら…と、創作の初期には色々気掛かりなこともあるでしょうけど、そんな心理的ハードルを下げるため、どこでも作れて気付いた人が見に来れる、開発と公開の境界が曖昧なプログラミング環境は残り続けて欲しいんですよね。自分等の頃はポケコンだったり、かなり無理してノートPCだったりしたポジションに、プチコンが来てくれればと。
 例えるならプログラミングの始まりも、学校のノートの端に落描きするような感覚で。

*1:http://smileboom.com/special/ptcm2/co_contest/ なぜ博士が謝っているのか…。

試作ゲームと、空間の均質性

http://itunes.apple.com/app/de.void/id447999281?mt=8
 あんまり面白いものでも無いので、ここから先どう作るかを妄想して楽しめる人向け。
 一年放置した挙句の公開ですが、そのあたりの流れは以下に。
https://twitter.com/#!/k_u/status/202031325329367042
https://twitter.com/#!/k_u/status/202032454024957952
https://twitter.com/#!/k_u/status/202040234165288960

ザルバールの蒸留塔


 iPhone版のプログラムを担当しました。
http://homepage1.nifty.com/y-osumi/old_game/game/zarfw/
 原作は1994年の同人ゲームでして、今となっては液体を使ったゲームも珍しくは無いですが、比重の違う液体を分離するというルールに関しては、それほどフォロワーは発生していないのではと思います。
 当時から異彩を放っていたゲームでしたし、気になったのでしたら是非。